今回は、打者を評価する指標の1つである「長打率」が優秀な目安と計算方法をご紹介します。
長打率という名前から、長打を打つ確率と思ってしまいますが、実際は違います。
結構長打率の定義を勘違いして覚えている方も多いんですよね。
この機会に、長打率が優秀な目安と計算方法を覚えてみて下さい。
計算自体は至ってシンプルで簡単ですよ!
長打率が優秀な目安は?
長打率が優秀な目安は、プロ野球のリーグ平均値を見ることでわかります。

ざっくりではありますが、平均値より高ければ優秀、平均値より低ければイマイチと言えます!
過去11年のリーグ平均長打率
過去11年間のセ・リーグおよびパ・リーグのリーグ平均長打率は下記の通りです。
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ |
2008 | 0.391 | 0.404 |
2009 | 0.388 | 0.406 |
2010 | 0.410 | 0.403 |
2011 | 0.340 | 0.348 |
2012 | 0.338 | 0.347 |
2013 | 0.375 | 0.376 |
2014 | 0.391 | 0.379 |
2015 | 0.359 | 0.377 |
2016 | 0.379 | 0.375 |
2017 | 0.391 | 0.388 |
2018 | 0.414 | 0.399 |
長打率を見ると、比較的打高なシーズンか、打低なシーズンか見分けが付けられます。
両リーグともに長打率が0.400を超えている2010年は比較的打高です。
一方で、0.350を下回る2011年と2012年は打低なシーズンです。
この2年間は、反発係数が規格値を下回る統一球(違反球とも呼ばれる)が導入された年でした。
年ごとに多少ばらつきはありますが、ここ5年は概ね0.390前後が平均的な長打率といった所でしょうか。
長打率が0.400を超えていれば、リーグの平均的な打者より優秀な長打率の打者という目安になりますね。
長打率は得点相関性が高いので、選手を見る際にはぜひ注目して欲しい指標の1つです。
2017年長打率ランキング
2017年の各リーグの長打率ランキングを下記に示します。
セ・リーグ | 長打率 | パ・リーグ | 長打率 | |
1 | ゲレーロ(中) | 0.563 | 柳田 悠岐(ソ) | 0.589 |
2 | 鈴木 誠也(広) | 0.547 | 秋山 翔吾(西) | 0.536 |
3 | ロペス(横) | 0.533 | デスパイネ(ソ) | 0.513 |
4 | マギー(巨) | 0.514 | 茂木 栄五郎(楽) | 0.497 |
5 | 筒香 嘉智(横) | 0.513 | ウィーラー(楽) | 0.493 |
6 | バレンティン(ヤ) | 0.506 | ペゲーロ(楽) | 0.490 |
7 | 丸 佳浩(広) | 0.505 | T-岡田(オ) | 0.488 |
8 | 宮﨑 敏郎(横) | 0.479 | レアード(日) | 0.459 |
9 | 糸井 嘉男(神) | 0.447 | 松田 宣浩(ソ) | 0.458 |
10 | 福留 孝介(神) | 0.444 | 浅村 栄斗(西) | 0.453 |
やはり、スラッガータイプの選手が多くランクインしている事が分かります。
外国人選手のランクインが多いですね。
長打率は0.5を超えてくるとやばいです。



長打率0.5超えは各球団のスラッガー達がずらりですね!
長打率を見ると、2017年の横浜DeNAベイスターズのクリーンナップの強力さが一目瞭然ですね。
リーグの10傑にクリーンナップ全員がランクインしているため、3番ロペス、4番筒香、5番宮崎の打線は気を抜けないですね。
長打率の計算方法


長打率の計算方法は以下の通りです。
長打率=塁打÷打数
この計算式で算出された数値の小数点第4位を四捨五入して、小数点第3位までの値を長打率として用います。
長打率は、打率や出塁率のように百分率ではないので、数値は1を超えます。
ちなみに、長打率の上限は4です。
塁打数の計算方法


長打率を計算する上で必要となる指標が、塁打数です。
塁打数は次式で求められます。
塁打=単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4
例えば、単打50、二塁打10、三塁打5、本塁打10の場合の塁打数は、
塁打=単打50×1+二塁打10×2=三塁打5×3+本塁打10×4==50+20+15+40=125
となります。
この塁打数を打数で割れば、長打率になります。
「長打率=長打を打つ確率」ではない!


よく勘違いされていますが、
長打率=長打を打つ確率
ではありません。
長打率を一言で表すと、
「1打数あたりの塁打数の期待値」
になります。
長打を打つ確率ではなく、塁打数の期待値なんです。
ぜひ、覚えておいて下さいね。
長打率の得点との相関係数は打率より高い
この長打率ですが、得点相関性(得点への影響度)は打率より高いです。
さらに言えば、出塁率よりも高いです。
長打率が高ければ、自ずと単打以上が生まれる期待値が上がるため、それだけ進塁の可能性が高まります。
そのため、単にヒットを打つ確率の打率よりも、得点相関性は高くなっています。
ちなみに、出塁率よりも長打率の方が得点相関性は高いです。
結論:長打率が優秀な目安はリーグ平均値の0.390前後
今回は、長打率の計算方法をご紹介しました。
名前だけだと、長打率は長打を打つ確率と勘違いしてしまいそうですが、実際は
長打率=1打数あたりの塁打数の期待値
という事が分かりました。
計算方法自体は、塁打を打数で割るだけなので、とてもシンプルですね。
ぜひ、この機会に長打率の定義と計算方法を覚えてみて下さい!
それでは、今回は以上になります。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。








コメント