本記事では「野球のDH(指名打者)」について、小学校からの野球歴15年以上のかつをが、徹底的に解説します。
『野球のDH(指名打者)ってそもそもなに?』
『野球のDH(指名打者)制はどんな意味があるの?』
という疑問にお答えします。
この記事を読む事で、DH(指名打者)に関する疑問が解消され、野球を見るのが今よりもっと楽しくなりますよ!
DH(指名打者)以外の野球の各ポジションの特徴について知りたい方は、
>>野球のポジション・守備位置の特徴を野球経験15年以上の僕が徹底解説
という記事で各ポジションの特徴・役割をまとめていますので、一度読んでみて下さいね。
それでは、どうぞご覧下さい。
【野球】DH(指名打者)とは?
DH(指名打者)とは打撃専門の選手のこと
DH(指名打者)とは、「打撃を専門に行う選手のこと」を指します。
DHの選手は守備には付かないため、打力はあるけど守備力が無いので使いづらい…なんていう選手でも活躍する機会を持つことが出来る制度です。
DHとは「Designated Hitter」の英語表記の略。日本語では「指名打者」と呼ばれています。
DH(指名打者)の役割
DH(指名打者)の選手は、守備には付かずに投手の代わりに打席に立つ事が役割です。
打撃専門の選手なので、守備力は一切度外視でき、打力だけを見て選手起用する事が出来ます。
投手としては打席に立つ必要がなくなるので投球に専念出来ますし、守備力に自信はないけれども打撃に自信がある選手の起用場所として、DH(指名打者)は非常に大切な役割を持っています。
DH(指名打者)の知って得するルール
DH(指名打者)として起用された選手は、必ず一度打席に立ち、打席を完了させる必要があるというルールがあります。
このルールがプロ野球の世界でも適用された事があります。
2011年の広島対オリックスの交流戦での出来事。
広島は7番・DHに偵察要因として投手の今村選手を先発起用していました。
しかし、DHの選手は必ず一度打席に立つ必要があるため、代打を出す事が出来ずに、投手の今村選手がDHとして打席に立つという事態が発生しました。
当時の広島の監督は野村謙二郎監督。
プロ野球の監督ですら見落としてしまうルールがあるなんて、驚きですよね。
DH(指名打者)制は様々なリーグで採用されている
DH制は日本プロ野球界ではパリーグに採用されています。
また、パリーグ以外にもさまざまなリーグでDH(指名打者)制が採用されており、メジャーリーグではア・リーグで、日本の独立リーグや社会人野球でも採用されている、メジャーな制度です。
WBCの国際試合でも採用されていますね。
DH(指名打者)の有無が交流戦の結果に大きな差を生んでいる
DH(指名打者)制の有無が、現状ではセリーグとパリーグの戦力の差に大きな違いを生んでいます。
交流戦はパリーグが大きく勝ち越している
2005年からスタートしたプロ野球のセリーグとパリーグの交流戦。
通算成績を振り返ると、パリーグが大きく勝ち越しています。
交流戦の勝敗表
|
||
年度
|
セ
|
パ
|
2005
|
104
|
105
|
2006
|
107
|
108
|
2007
|
66
|
74
|
2008
|
71
|
73
|
2009
|
70
|
67
|
2010
|
59
|
81
|
2011
|
57
|
78
|
2012
|
66
|
67
|
2013
|
60
|
80
|
2014
|
70
|
71
|
2015
|
44
|
61
|
2016
|
47
|
60
|
2017
|
51
|
60
|
2018
|
48
|
59
|
通算
|
920
|
1044
|
ほぼ五分五分の年もありますが、セリーグが勝ち越したのはなんと2009年の1回だけ。
残りは全てパリーグが勝ち越しています。
これには、DH制の有無が1つの理由と考えられています。
パリーグはDH(指名打者)が有る前提で編成を組むので有利
セリーグではDH制が採用されていないため、そもそもDH専用の選手を戦力として編成の時点で用意していません。
パリーグでは、例えどれだけ守備が下手でも、打撃に定評のある選手をDH(指名打者)として起用する事が出来るため、編成の時点で打力に自信のある優秀な選手(外国人である事も多い)を用意しています。
そのため、セリーグでDHとして起用される選手は、パリーグのDHの選手と比較すると、打力が劣る選手が起用される事が多く、どうしてもパリーグ優位な状況となってしまいがち。
また、打力に自信があるけれど守備に自信の無い若手の選手が、DH(指名打者)として1軍で経験を積むことも可能なので、セリーグと比べるとその差は開く一方ですよね。
一方、セリーグ主催試合でDH制が無い場合は、セリーグはいつも通りの戦い方で、パリーグはDH制の選手がそのまま代打として待機する事が出来ます。
以上の理由から、DH(指名打者)の有無が、交流戦でパリーグが大きく勝ち越している要因の1つであると考える事が出来ます。
歴代のDH(指名打者)部門ベストナイン受賞者
ここでは、歴代のパリーグでのDH(指名打者)部門でのベストナイン受賞者をご紹介します。
年度
|
受賞者
|
所属球団
|
2018
|
近藤健介
|
日本ハム
|
2017
|
デスパイネ
|
ソフトバンク
|
2016
|
大谷翔平
|
日本ハム
|
2015
|
李大浩
|
ソフトバンク
|
2014
|
中村剛也
|
西武
|
2013
|
アブレイユ
|
日本ハム
|
2012
|
ペーニャ
|
ソフトバンク
|
2011
|
フェルナンデス
|
西武
|
2010
|
福浦和也
|
ロッテ
|
2009
|
山﨑武司
|
楽天
|
2008
|
ローズ
|
オリックス
|
2007
|
山﨑武司
|
楽天
|
2006
|
セギノール
|
日本ハム
|
2005
|
松中信彦
|
ソフトバンク
|
2004
|
セギノール
|
日本ハム
|
2003
|
カブレラ
|
西武
|
2002
|
和田一浩
|
西武
|
2001
|
ボーリック
|
ロッテ
|
2000
|
ウィルソン
|
日本ハム
|
1999
|
クラーク
|
近鉄
|
1998
|
ウィルソン
|
日本ハム
|
1997
|
マルティネス
|
西武
|
1996
|
ニール
|
オリックス
|
1995
|
ニール
|
オリックス
|
1994
|
ブライアント
|
近鉄
|
1993
|
ブライアント
|
近鉄
|
1992
|
デストラーデ
|
西武
|
1991
|
デストラーデ
|
西武
|
1990
|
デストラーデ
|
西武
|
1989
|
門田博光
|
オリックス
|
1988
|
門田博光
|
南海
|
1987
|
石嶺和彦
|
阪急
|
1986
|
石嶺和彦
|
阪急
|
1985
|
リー
|
ロッテ
|
1984
|
リー
|
ロッテ
|
1983
|
門田博光
|
南海
|
1982
|
ソレイタ
|
日本ハム
|
1981
|
門田博光
|
南海
|
1980
|
マニエル
|
近鉄
|
1979
|
マニエル
|
近鉄
|
1978
|
土井正博
|
クラウン
|
1977
|
高井保弘
|
阪急
|
1976
|
大田卓司
|
太平洋
|
1975
|
長池徳二
|
阪急
|
全体的にみると、やはり外国人選手の活躍が目立っていますね。
どの球団も、DHとしては打力に自信のある外国人選手を起用する事が多いためと考えられます。
結論:DH(指名打者)は打撃専門の選手で、プロ野球ではパリーグで採用されている
本記事では「DH(指名打者)とは?」という観点で、DH(指名打者)に関する情報を掘り下げて解説しました。
パリーグでは当たり前のように導入されているDH(指名打者)制度ですが、思わぬ所でセリーグとパリーグの戦力差の一因となってしまっているようです。
DH(指名打者)以外の野球の各ポジションの特徴について知りたい方は、
>>野球のポジション・守備位置の特徴を野球経験10年以上の僕が徹底解説
という記事をご覧ください。
以上、「【野球】DH(指名打者)とは?知っていると野球がもっと楽しくなる!」という記事でした。
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